論文資料

子牛サルモネラ症に対するプロバイオティクスを主体とした衛生対策の有用性

サルモネラ症は子牛に甚大な被害をもたらす疾病で、子牛生産を行う肉用牛繁殖農家において対策をすべき重要な疾病のひとつに挙げられている。今回、子牛のサルモネラ症が集団発生した農家において、微生物混合飼料、いわゆるプロバイオティクスを主体とした衛生対策を実施し、良好な成果を得たので報告する。

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第58回九州地区獣医師大会 講演要旨

Eimeria属によるコクシジウム症は、子牛に下痢や血便、さらには発育遅延などをもたらし、畜産現場においては重要な消化管寄生虫疾患の1つである。家畜生産現場において、特に若齢子牛のコクシジウム関連下痢症対策の一つとして、混合微生物の利用も試みられている。しかし、その具体的な効果および使用方法は未だ確立されていない。そこで今回、Eimeria感染マウスをモデルにして、混合微生物投与の時期によるコクシジウム症に対する抵抗性の発現の違いについて検討した。

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黒毛和牛生産現場における生菌製剤の応用について

「プロバイオティクス(生菌製剤)」は「アンチバイオティクス(抗生物質)」と対比して共生関係を意味している。ここでは、「生菌製剤」とは、「腸内細菌叢の異常による宿主の症状を改善させるための治療薬」ではなく、「宿主の消化管内細菌叢のバランスを改善することにより、宿主にとって有益な作用をもたらす敵生物群」を言うことにする。著者らは、抗生物質のように積極的に病原微生物を死滅させているわけではなく、病原微生物がはびこらないような環境に改善して最終的には病原菌を排除してしまう効果がある、と言う方が近いと理解している。生菌製剤の応用とは、易感染性となった動物をおなかの丈夫な抗病性のある体にしようということではなかろうかと考えている。

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